「『嗅覚』は五感の中で唯一の・・・」文明通信傑作選
※2007年の創業以来続くツキイチニュースレター【文明通信】より、
2011年5月号の記事をご紹介します。
「『嗅覚』は五感の中で唯一の・・・」
この一ヶ月の間に立て続けに3つのTV番組で紹介されたということもあり、多くのお客様にお越しいただけていることは嬉しい限りなのですが、特に土日祝日の混雑ぶりは色々な形で皆様にご不便をおかけしております。
どんなに混雑しようと一杯ずつ毎回必ず豆の分量も量ってお一人ずつに淹れていくスタンスは変えずにいますので、混雑時のお客様の待ち時間は相当なものになってしまい申し訳なく思っております。
ただ、このようなメディア露出による反響というものは、時間と共に必ずおさまりますので、常連のお客様は今しばらくの間ご辛抱いただけたらと思います。
さて、先日新聞の記事で「認知症になったある人が、昔通った喫茶店のコーヒーを飲みたくて、それらしきお店を片っ端から飲み歩き、ついに昔のお店にたどり着いた」という話を読みました。店の外観も店のマスターのことも何も覚えていないけれど、あの時飲んだコーヒーの味であるということだけは確信が持てたとのことで、これはきっと本当にそうなんだと思います。感情論ではなく、人体の構造的、科学的に述べてみますね。
人間の「嗅覚」というものは五感の中で唯一【大脳辺縁系】
(「食欲、性欲」などの本能行動や「快、不快」などの情動をつかさどる原始的な脳)に直結していて、人間の「記憶」の部分に深く関わる「海馬」もその中にあります。
超ド文系の私が述べているこの話は全てアロマテラピストの妻からの受け売りです(笑)。
これまで何度も映画化されている筒井康隆のSFジュブナイル「時をかける少女」の名ラストシーンでは、記憶をなくした主人公が近所のラベンダーの花の香りに、「このにおいを私はぼんやりと記憶している。甘く懐かしい香り・・・。
いつか、どこかで、私はこのにおいを・・・」と夢心地になるくだりも実は人体生理学上非常に正しい感覚ということになります。
中学生の頃から手挽きのミルで豆から挽いてコーヒーを飲んでいた私は、思えばずっと生活の中に常にコーヒーが共にありました。友人や恋人と喫茶店に入った時の立ちこめるコーヒーの香りに実は今、一日中囲まれています。
そして今やコーヒーに関するアロマ、フレーバー、甘み、酸味、苦味、細部に渡り追求するようになってしまいましたが、そんな今でもやはり私が一番好きなのはコーヒーというものは原始的な脳に訴え、幾重もの思い出や記憶を呼び覚ますスイッチになっているということなんだと思います。今までもこれからも・・・。 赤澤珈琲研究所 代表 赤澤 智(2011.5)
※当時の文明通信はこちら。
※過去の文明通信はすべてこちらから読めます→ 文明通信




-600x600.png)



